マケイシュバラの粗野な像
最后に六代菊五郎氏が 赤むじゃくらの頬ひげに
白とみどりのよろひをつけて
水に溺れた蒙古の国の隊長になり
毎日ちがったそのでたらめのおどりをやって
昔ながらの高く奇怪な遺伝をもった
仲間の役者もふきださせ
幕が下がれば十時がうって
おもてはいっぱい巨きな黒い烏の群
きまった車は次次ヘッドライトをつけて
電車の線路へすべって出るし
きまらないのは磁石のやうに
一つぶ二つぶ砂鉄のかけらを吸ひつけて
まもなくピカリとあかしをつける
四列も五列のぞろぞろぞろぞろ車がならんで通って行くと
三等四等をやっとの思ひで芝居だけ見た人たちは
肩をすぼめて一列になり
鬼に追はれる亡者の風に
もうごく仲よく帰って行く
単語リスト
マケイシュバラ Shiva
粗野な像 そやなぞう crude sketch
最后に さいごに finally/ in the final act
六代菊五郎氏 むつしろきくごろう Showa Era Kabuki actor of Mongolian descent
赤むじゃくら あかむじゃくら messy red hair
頬ひげ ほうひげ facial hair on one's cheeks
よろひ よろい armor
溺れる おぼれる to drown
蒙古 もうこ Mongolia
隊長 たいちょう military captain
でたらめ absurd/ meaningless
奇怪(な) きかい(な) mysterious
遺伝 いでん family line
役者 やくしゃ actor
ふきださせる able to breath deeply
幕 まく curtain
巨き(な) おほき(な) 大き(な)と同じ意味である
烏 からす crow
群 むれ group/ flock
きまった regular/ expected
次次 つぎつぎ one after another
きまらない irregular/ unexpected
磁石 じしゃく a magnet
一つぶ二つぶ one grain after another
砂鉄 さてつ iron filings/ pieces
かけら a scrap of iron
吸ひつける すひつける to drag
あかし truth/ evidence
ぞろぞろぞろぞろ the sound of many people in one place
芝居 しばい performance
肩をすぼめる かたをすぼめる to shrug one's shoulders
追はれる to be chased
亡者 もうじゃ the deceased
読解の質問
コメントや自分の考えをよろしくお願いします。
1.) どうして一行目で菊五郎氏を紹介した後でスペースがおいてありますか?
2.) 10時に芝居が終わったら、カラスは何をしますか?
3.) 宮沢さんによると、どうして芝居を見た人は帰って行きますか?








